設定概略が長すぎて概略にならないのでここに書くよ!

・金蔵と”ベアトリーチェ”の子供→九羽鳥ベアト、更に金蔵と九羽鳥ベアトの子供→戦人=19男という持論からのgrks
・もし九羽鳥ベアトが九羽鳥庵を抜け出さず、そのまま九羽鳥庵で暮らし戦人を育ててたら的な話
・どうしてそうなった!どうしてそうなった!?
・あくまで九羽鳥ベアト
・バトラは多分12歳くらい。 魔法抵抗力?エンドレスナイン??なんですそれ食べれるんですか?

<以下当てはまる方はお戻りください>
・母子とか…どうしてはとさん普通にベアバト妄想できないの………
・カプリチオと違って戦人がベアトを母さん呼び ベアトをベアトって呼ばない戦人なんて戦人じゃないやい
・黒戦人とか…俺の戦人きゅんはもっと可愛いから!
・死ネタとか書く人死ねばいいよね ハッピーエンドしか認めない!  まぁうみねこやってる時点でそんな人いないだろうが





↓おkな方はどうぞ〜










そこは世界にとって、世界の片隅、ほんの一欠片でしかありません。
けれど彼らにとってその一欠片こそが、世界の全てだったのです。





夢を、見た。

とても暖かな夢だった。まだ、この自分の身体が思うように動いていた頃の話。幼い我が子がもっともっと小さかった頃の話。
日当たりのいい庭で、二人で美味しいクッキーを食べて、紅茶を飲んで。何の花がもうすぐ咲きそうだとか、そんなたわいの無い話をして。
あぁ、本を読むあの子の姿を、一日中でも見ていられたっけ。分からない単語があるとすぐ私に聞いてきて。
そうやって世界を広げていくあの子の姿が、とても愛おしい。
ずっと見ていたい。…ずっとずっと、見ていたいのに。


目が覚めた、と自覚するのにも随分と時間がかかった。久方ぶりの覚醒のような気がする。
今までの痛み、苦しみが嘘のように、酷く凪いだ心地だった。…これできっと、最後、なのだろう。
眠りにつく前は確かあの子が手を握っていてくれて。そして手を包む暖かさとかけられた声に、ずっと手を握っていてくれたのだと知る。
「母さん、」
「………ばとら。………妾は…、どれくらい…寝て、おったか?」
「…3時間、くらいかな。気分は?水なら飲めそう?持ってくるから。」
席を立とうとするバトラの袖を引いて引きとめる。
「大丈夫、だから。……手を。繋いでいて…、くれぬか。」
「…うん。」
両手でしっかりと、私の手を包んでくれる。
こんなにもしっかりと繋ぎとめようとしてくれているのに、けれど私は行かなければならない。…この子を置いて、行かなければならない。
手を伸ばし、頬に触れる。もう冬も近いせいだろうか。それとも熱を持ちすぎた自分のせいだろうか。バトラの肌は、やけに冷たく感じられた。
「少し、冷えておるな…。」
「母さんが暖かいんだろ。」
薄く微笑んでみせるバトラに、つられて自分も笑顔になる。…彼の笑顔が、好きだ。
彼の笑顔に見守られて逝けるのなら、悪くない。魔女らしくはないだろうが。
嗚呼、しかし己はよくてもこの子は。取り残される、この子は。
「………すまぬな、バトラ。」
「なんで母さんが謝るんだよ。」
「そなたを…右代宮の家に、産んで…やりたかった。このような、籠ではなくて、広い世界に…そなたを、産んで、やりたかった。
 そなたなら、金蔵に…よく、似て…。右代宮にふさわしい、当主に…なれた、だろうに。」
私の言葉に、バトラは緩く首を振った。綺麗に整った形のいい眉を少しだけ寄せて、悲しそうに、それでも笑う。
「俺は、ここがいい。ううん、母さんがいてくれるならどこだっていい。他には何も、いらない、だから、だから、」


おいていかないで。


搾り出されるようにして紡がれた言葉に、目の奥がツンとする。息子のこんな切実な願いすら、自分は叶えてやれない。
ああ、ああ。私が本当の魔女だったなら。無限の時を生きる魔女だったなら。ずっと一緒にいてやれるのに。
私も、この子がいればどこだっていい。他には何も、いらないのに。
「……、こんな、偽者の魔女が母で……すまぬ。………けれど、妾は……そなたを、あいし、て、」

その言葉を切欠に、急速に意識が落ちてゆく。世界が、闇色に染まってゆく。
繋いだ手の感触も、少し冷たい彼の頬も、全てが、消えて―――消え、て。





しとしとと、雨の降る音がする。誰かが泣いている様に、それはよく似ていた。
けれど立ち尽くす彼の頬に、涙の痕は無い。硝子球のように虚ろな目、仮面のような無表情。
それは、彼の前に横たわる死者のそれよりも、死者であるのかもしれなかった。
「…だいじょうぶだよ、母さん。」
雨音に溶けてしまいそうな、呟きだった。少年特有の、うっとりするようなアルト。
こてりと首を傾げながら、彼は母を、母だったものを安心させようとするかのように口の端を上げる。
微笑もうと、しているのか。けれど彼の母が愛した優しい笑みは、最早そこには残されていなかった。

「俺が母さんを、本物の魔女にしてみせる。」



小さな少年の狂気を、遠くの稲光が写して消えた。





プラウザバックでもどってください。

あとがき。

どうも母子萌えが再発してしまったのでカプリチオとは別設定で一本書いてみました。はとさんの母子好きは異常だと思うのです。
え?そんなの今更だって?ありがとうございます、よく分かってらっしゃる。
背中を押してくれた某方にも言いましたが
続きません ついったでは黒字にしか見えないぜ!と無効にされてしまったので改めて赤字で
だってカプリチオとかぶるじゃまいか…

(2010.06.29)





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