命芽生える春。
アンデルセン家の飼い猫覇王くんも、例外に漏れず発情期を迎えていました。





「・・・これでよし。」
柱に飼い猫をくくりつけて、ヨハンは満足そうに微笑んだ。
「貴様、どういうつもりだ。とうとうトチ狂って動物虐待か。」
「だってこうでもしねーとお前、何すっか分かんねーもん。」
綺麗な蒼の瞳を思い切り不審の色に染めて、ヨハンは言う。信用ならないんだよお前はああああ、と顔に書いてあるようだった。
そんな飼い主の敵意にも似た視線をものともせず、猫は呑気にあくびを一つ。
「とにかく!俺が学校から帰ってくるまでおとなしくしてろよ!?・・・もし俺の十代に手ぇ出してみろ、速攻去勢だかんな!!」
言い捨てるようにして、飼い主は部屋を出て行く。普段はそこそこ良い飼い主であるとは思うが、この時期彼は突然暴走を始める。
今年はここまでエスカレートしたか…今までは部屋に閉じ込める程度だったのに。
せめてもの情けなのか手は自由に動くが、縄の結び目は届かないところにあるので脱出は難しいだろう。
………というか夕方までこのままか。くそ、あの駄目飼い主め。


飼い主への復讐に燃えていると、部屋のドアがかたりと開く音。
隙間からぴょこりと、妹の十代が顔を出した。
「あ、はおうみっけ〜。………何やってるんだ?」
柱と友達になっている己を見て、十代は素直な疑問をぶつけてきた。…それは俺がヨハンに聞きたい。
「…十代。お前は何か変わったことはなかったか?」
「んにゃ?何もないよ?いつもよりちょっとだけドアとか窓が開きづらかったぐらいで。」
…詰めが甘すぎるにも程がある。阿呆だ。あいつは本物の阿呆だ。

「にゃ〜……はおう、いいにおいがするう……。」
「…こら、十代。」
近寄ってきた十代が甘えてくる。一応咎めるそぶりを見せるが、内心咎める気は全くといっていいほどない。
脳裏に阿呆な飼い主の顔が浮かぶ。…馬鹿め。俺と十代を引き離すことなど、不可能だ。

十代が弱く牙を立てて耳を噛んでくる。徐々に下に移動して、頬と首筋に触れるだけのキスを一つずつ。
「ね〜…はおうぅ〜…」
潤んだ琥珀で見つめてくる十代に、ぞわりと嗜虐心が湧く。
「構ってやっても良いが…生憎と俺は動けないのでな。」
「うにゃ…、」
眉を寄せて、唇を尖らせての抗議に、傲慢に言い放つ。
「そんなに構ってほしいのなら、自分で慣らして入れてみろ。」


「ふ…っう、ん・・・!…っは、はおう・・・!」
己の足の上を跨いで、膝立ちの状態で十代は自分を慰める。くちゃり、くちゃりとはしたない水音が部屋に響く。
蜂蜜のようにどろりと溶けた甘い琥珀。上気して淡く色づいた頬。どれをとっても、己を惹きつけてやまない。
「ね、も、いい、でしょ…?…ふ、にゃう……!ね?ね?…はおう…!おねがいぃ〜…!」
「そんなに欲しいか、この淫乱め。…言ったろう、自分で入れてみろ、と。」
なおも突き放す自分に、流石の十代も少しへそを曲げたようだった。
むっ、と顔を顰める。そのまま無言で、ズボンから快楽を得るためのモノを取り出しにかかる。
既に立ち上がっていたモノを認めて、十代は僅かにその口の端を上げる。
「ふんだ、はおうだって欲しがってるクセに!」
琥珀の瞳が挑発するような色を宿す。ぎらりと刃物のように煌くそれもまた、美しい。
切っ先を宛がって…亀頭だけ迎え入れたかと思うと、直ぐに抜く。ゆっくりと、繰り返し、繰り返し。
「くく、それで俺を焦らしているつもりか?」
「っは、…強がる、なよ…。欲しいって、言って、みろよ…!」
途切れ途切れの、けれど昂然とした言葉。血は争えないと、そういうことか。
ゆらゆらとゆらめく、十代の尻尾を手に取る。
見せ付けるようにして、毛並みに逆らって舌を這わせると、甲高い声。
非難の視線をものともせずに口内に含みやわりと牙を立てると、十代はおもしろいくらいに跳ねた。
跳ねた拍子に力が抜けたのかがくりと腰を落とす結果となる。己の意に反して受け入れたことに、恨めしそうな視線。
「は、…はおうの、ばかああああああ〜!」
「…それで?他に言うことは?」
意地の悪い笑みで問えば、悔しそうな顔をして、けれど十代は陥落した。
「だから!さっきから言ってるだろぉ〜!?欲しいんだってばぁ!はおうが、…っにゃ、っ欲しいんだってばああ!」
「…良くできました。」
己の尊大な物言いに十代が何かを言おうとするが、思い切り突き上げてやれば出てくるのは嬌声だけ。

漂う甘い香りに狂いそうになる。否、むしろ狂ってしまいたいと思う。十代になら狂わされても、構わない。
何もかも忘れて、この甘美な琥珀に溺れていたい。



学校から帰ってきたヨハンがいちゃつく覇王と十代を見つけて泣き叫ぶのは、まだ先のお話。





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あとがき。

この前ヨモさんとメッセしたときに猫耳で盛り上がった(主に私が)から書くことになった。
ぬこみみ覇十EROでした。
ギャグかこれは。ギャグなのか…?何とも不思議な一品に仕上がりました。

某ボイン姉のテーマをエンドレスで流してたらドEROになった。
ボイン姉すげえ。

(2008.03.04)





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