貴方に願う10のお題
8つ目/ずっと隣にいて
ずっと隣にいて。
口には出さない、切なる願い。
終わった。とりあえずリーベリアでの戦いは。
3人の心剣士が天に掲げる輝く心剣を見て、マオはようやく安堵の笑みを浮かべた。
ぐるりと視線を彷徨わせると、白と黒の翼を持つ彼も…ぎこちないけれど、自分と同じ笑みを浮かべていた。
べったり。
この状況を表すならばまさにそんな音。
「…マオ…。ゼロが随分、重そうなんだけど・・・。」
「いいじゃない!重しでもつけとかないとすぐどっか飛んでっちゃうんだから!」
マオにひっつかれているほうの彼は何も言わない。それとも怖くて言えないのか。
「ソウマ、あまり気にするな。…1年前からこうだ。」
「そうそう。猫の恋路を邪魔する奴は〜ってヤツよ!」
エルウィンとブランネージュが冷やかすように言う。
リーベリアでの戦いが終わりを迎えて以来、2人はずっとこんな感じだった。
しかしそれは、自分でも驚くほどにしっくりくる光景だった。
そうあるのが当然のような…そんな錯覚すら、覚えるほどに。
「…マオ…。」
「離さないよ?」
「即答ですか。」
「即答ですよ。」
そんな短いやりとりのあと、また沈黙。
ぎゅう、とまた腕にしがみ付く力が強くなる。
「…もうね、『隣にいて』なんて、言わないことにしたの。」
俯きがちに言う彼女の表情は見えない。
けれどきっと、したたかな笑顔。
「アタシが捕まえておけば、いいだけのことだから。」
顔を上げた彼女は、予想通りの笑顔だった。
だから、離さないよ?
プラウザバックで戻ってください。
あとがき
休止前にあらかたできてたので、速攻でお届けできましたw
ゼロマオでゲーム寄り(ゼロさんルミナスナイツ加入)+ED後妄想。
べたべたすればいいと思います。
(2007.11.25)