それは、一人で立つが故の輝きなのだろうか。
もしそうなのだとしたら、何て悲しい輝きなんだろう。
「自分を殺してくれと。…そう、言うとった。」
呟くナナシの表情は、あまりよく読み取れない。
いつもおちゃらけているけれど、たまにナナシはこんな顔をする。
「……。…そうか。」
アランは苦い表情で答えて、ぐしゃりと葉巻を灰皿に押し付けた。
「おっさん…ええと、アイツ…、」
「アルヴィス、だ。」
「そう、そのアルヴィスって奴は…どうして死にたがってるんだ?」
ギンタの問いに、アランは重く、溜息を吐いて。
「アイツは…ファントムの野郎に、呪いをかけられてるんだ。」
言って、また葉巻に火をつける。
いつもより量の多い灰皿の中身が、彼のイライラを表しているかのようだった。
「ファントムが殺しても死なねぇゾンビだってのは、前に話したな?」
「…ああ。」
「それと同じ呪いを、アイツはかけられちまったんだ。…6年前にな。
その呪いが完成すればアルヴィスは奴と同じ…生ける屍になる。」
スノウが息を呑む。ジャックが大きい目を更に見開く。
ドロシーも表情は変えないが、しかし動揺しているのが分かる。
「前回のウォーゲームが終わってから…随分と探したよ。」
それまで黙って外を眺めていたガイラが、静かに呟いた。
「大きくなったものだ。…6年。アルヴィスには本当に、済まないことをしてしまった。」
―――謝っても…謝りきれん。
「…助けて、やりたいわ。」
沈黙を破ったのは、いつになく重いナナシの声だった。
「殺してくれ、言われたけど。…でも…ワイは、助けてやりたい。」
「当たり前だ!!」
ナナシの言葉に、ギンタが叫ぶ。
拳を握り締めて、搾り出すように言った。
「…助けてやろう。絶対に。」
スノウもジャックもドロシーもアランも。その言葉に皆一様に頷く。
―――たとえそれが、彼の意にそぐわぬものであったとしても。
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あとがき。
トム様もアルちゃんも出てこない小鳥さんがこんなにも書きにくいなんて…!(絶望)
まあ、久しぶりなせいもあるんでしょうが。
それにしても苦戦したよ!
そして 大 阪 弁 … ! (ギリ)
(2007.11.30)