届かない。
声も手も、なにもかも。




―――呼ばれている。
それはこの6年の間にも度々感じた感覚だったけれど、こんなにも強いものではなかった。
声無き声…とでも、いうのだろうか。酷く漠然とした呼びかけ。
けれど、今は違う。
頭の中がぐちゃぐちゃにかき乱されるほどに、呼ばれている。
確かな声を持ち、その声の持ち主が輪郭を結び始める。


おいで。

おいで。

こっちに、おいで。


ただそのワンフレーズのみを、あの男は繰り返すのだ。
まるで壊れたオルゴールのように、ただひたすら、…それのみを。



(いやだ、)



6年、ひたすら耐えてここまで、きたというのに。
ゲームの名を冠した戦争は終わった。
スノウも取り戻し…あともう一息という、そんな時に。


おいで。


傍には確かに、暖かな光を感じるのに。
もう心は通わすまいと思っていたのに、そんな虚勢を簡単に打ち砕いてくれた、新たな希望。
信じている筈なのに。手放したくない、筈なのに。


おいで。


呼ぶな、呼ばないでくれ。
……ほんとうに、呑まれてしまう!


…こっちに、おいで。



何度も夢に見た、最悪の結末。
それが訪れたその時、お前はどんな顔をするんだろう。
何だかんだ言って甘いから戸惑うだろうけれど、決着をつけてくれると嬉しい。

結局お前に希望を託してしまう俺も、どうしようもなく甘いのだと思うけれど。



「その時は、俺を。」





プラウザバックで戻ってください。

あとがき。
ごめんなさい、ワクワクを止められませんでした。(滅)
どこまでアニメルはアルちゃんを姫扱いすれば気が済むんでしょう、いいぞもっとやれ。
アニメルのファンアルが完璧すぎて迂闊に手を出せず、今回はアルちゃんの独白という形に落ち着きましたが次はファンアルを…!(野望)





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