ようこそ星合荘へ〜203号室・ゼロシオ双子編〜
だん、と壁に勢い良く壁に叩き付けられた。背中が痛い。というか壁薄いんだからこんなばったんばったんしてたら近所迷惑だろう。
隣人にそっと、心の中で謝った。そんな己の姿勢を、目の前の人物は逃避と受け取ったらしい。ちょっと、聞いてるの。不機嫌な声が耳に届く。
威圧感に、逸らしていた視線をちらと、向ける。あああ近い近い近い。かち合った青の目が暗い光を宿していて、なんというかもう半端無く怖い。
「…聞いてるよ。」
「そう。で?あんな女の何処が良いの?」
無表情のまま小首を傾げて問うてくる様は酷く恐ろしい。だって愛らしい仕草に反して目が全く笑っていない。
怖い。そして顔が近い。
「優しいところ?だったらぼくももっともっと優しくしてあげる。」
掴まれた手首が痛い。容赦無くぎりぎりと締め付けられて血が止まりそう。優しくすると言った傍からこれだ。
だから。これだから、この男は嫌いなのだ。
「優しい人はこんな風に怖い顔で彼女と別れろなんて脅迫しない。」
「脅迫じゃないよ。そもそもきみがぼく以外の人間を選ぶこと自体が異常なんだ。」
さらりと言われた言葉があまりにも横暴で、傲慢で。がんがんと早鐘のように脈打つ痛みが頭を苛む。…勘弁してくれ。
「きみは本当に聞き分けがないよね、シオン。どうしてこう、人を困らせるようなことばかりするのかな。」
「それはこっちの台詞だよ。っていうか、困ってなんかない癖に。」
勇気を絞りに絞って彼を睨み付けると、倍になって返ってきた。同じ顔なのにどうしてこう迫力が違うんだ。…悔しい。凄まじく悔しい。
腕を壁に縫い付けたまま、顔を首に埋めてくる。嫌な予感に背筋が凍り付く。何かされる前に何とかしないとと思うが時既に遅し。
がぶり。―――林檎か何かに齧り付くかのように、おもいきり、おもいっきり肩口に噛み付かれる。
「…、ッ!!」
のろりと肩から頭を上げた彼は、うっそりと微笑んでいた。否、口角を上げて見せただけ。笑ってなどいるものか。
「…困ってるよ。きみがぼくを選んでくれないと、とっても困るんだ。」
だってそれって自分を否定することなんだから!
脳内キャラ設定203号室編
ゼロ(?)
対外的にはシオンと双子ということにしているが本当は違うらしい。色々と、というか全てが謎の人。黒と白の羽が生えていたとの目撃情報あり。
彼に喧嘩を売った不良に、晴れにも関わらず突如雷が落ちたとの都市伝説が(ry
201号室のユダとは、彼等が言うには「似たもの同士」らしいのだが何処が似ているのか周囲にはさっぱり分からない。
シオン(17)
対外的にはゼロさんの双子の弟ということになってるが本当は(ryゼロさんは行ってないが彼は学校に通ってる。
最近彼女が出来たがゼロさんが別れろ別れろと煩くてげんなりしている。正直ゼロさんと縁を切りたいが怖くてとても言い出せない。
不幸体質だが何だかんだ死なない。旅行先で崖から落ちて急流に流されたが、大した怪我もなく生還したりしている。